よくあるご質問

こちらでは当サイトへお寄せ頂いたご質問にお答えしております。
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圧接部の品質管理について

工事全体あるいは工事のある部分に対する外観検査及び抜き取り検査は、圧接会社が社内検査として行う場合と、元請け会社あるいは発注者の委託者(設計監理事務所)の工事責任者が行う公式の検査の場合があります。
しかしこれ以前に、作業日ごとに圧接作業員自らが行う自主管理こそが最も大切なことです。自主管理では、勝手に抜き取り検査はできませんが、外観検査を圧接の都度行い、不具合なら直ちに修正をすることができます。現在はガス圧接部専用超音波探傷検査機器などで簡単に検査ができるので、自主管理を超音波検査で行うのが良い監理です。これらは落ち度のない品質管理と工事全体の工程管理上不可欠なものであり、圧接会社、圧接作業員の自主管理がおろそかで後日の検査で不具合が発見された場合には、鉄筋の組み直しや型枠工事コンクリート打設の遅れとなり、工事全体に支障を及ぼすことになるので重要です。 業者選定について、監理者は品質管理(自主管理)を実行する圧接会社を選定するべきだと考えます。

高強度鉄筋(SD490)の圧接について

本鉄筋継手協会の仕様によれば、「加圧器(油圧ポンプ)は上限圧及び下限圧を設定できる機能を有するもの」また、「従事するすべての技量資格者に対して施工前試験を行う事」と定められています。SD490等の高強度鉄筋を施工する場合、圧接時の入熱量や鉄筋が縮む際の変形スピードを管理する必要があります。その為、圧力管理を従来の電動油圧ポンプの様な作業者の操作ではなく、自動制御ポンプによって予めプログラムされた圧力パターンによって施工します。また自動制御ですので圧接データの読み出しも可能です。
当社においては、APW TA型の加圧制御装置を使用しております。このような、機器で施工を行えば高強度鉄筋も良好な圧接が可能です。 なかには、従来の電動式手動ポンプを使用して施工する業者もいますので、業者選定の際、必ず機器の有無を必ず確認するべきだと考えます。

良い圧接業者と不適格業者の見分けについて

(公社)日本鉄筋継手協会は平成9年度より、ガス圧接施工業者の内、ガス圧接工事標準仕様書に定められた通り正しく施工をし、あらかじめ定めた自主検査基準に基づいた圧接継ぎ手の性能検査を実施することで、品質の優れたガス圧接工事を施工する能力のある企業を常時選定し、優良圧接業者として認定しています。

優良圧接業者の企業は全国で95社しかありませんが、技量資格者の人数は1,576名含まれています。
(全国で圧接業者は507社、資格者は5,000名います。)

現在の市場環境では需要と供給のバランスが著しく、資格者は約2,000名でまかなえることができます。ご質問事項への回答は業としてお答えしにくいですが、品質管理のできる企業と、品質よりも稼働率と考えている企業、少人頭な企業(いわゆる全員が直接作業員)では品質より稼働数字に趣が置かれ、現場監理者の頭痛の種になることがなきにしもあらずと考えられます。

圧接機の締め付けボルトについて

締め付けボルトによる鉄筋傷によって強度未満で母材が破断する場合があるので、締め付けボルトの管理は特に重要です。現在6〜7種類のボルトがあり、圧接業者によってそれぞれ異なったボルトを使用しています。下請け外注班に多く見られるボルト傷破断は、ボルトの先が研磨され先細り角度が強くなり、滑りは防止できますが鉄筋傷を生じやすくしています。ボルトの耐用時期に新しい物との交換が必要です。
一般に、ボルトは6ヶ月毎に交換し、常に点検をしなければなりません。鉄筋材の締め付け場所によって傷が深く付くので、締め付け位置の確認が必要です。特に鉄筋の縦リブは絶対に締め付けてはいけません。
こちらに実験結果を掲載しておりますので、よろしければご覧下さい。

圧接時のバーナーの火口数について

(公社)日本鉄筋継手協会の仕様の中では「4口以上」と記載してありますが、現在4口バーナーを使用している圧接業者はいないと思います。

鉄筋端面のシールド(外気の酸素を遮断する)をするためのゾーンバーナーという最新式の加熱器もあります。鉄筋径により火口の数が多くなりますが、D25mmまでは8口が一般的です。

D29mm以上の鉄筋の場合は10口、12口、14口、16口、18口と2口ずつ増えていきます。また、一列に配列しない火口でゾーンバーナーを使用して施工する業者もいます。

超音波探傷検査で用いるグリセリンのコンクリートへの影響について

《圧接部の検査で超音波深傷検査が行われています。その際、接触媒質としてグリセリンが用いられますが、検査後に残留したグリセリンがコンクリートに影響を与える恐れがあるので除去するようにと言われました。今まで数多くの検査を行ってきましたが、そのようなことを言われたのは初めてです。実際影響はあるのでしょうか。》

ガス圧接部の品質を評価するために超音波探傷法が適用されるのは常識になっています。また、超音波探傷を実施するためには一般的には接触媒質が不可欠です。この接触媒質は水・油・グリセリン等が使用されますが、ガス圧接部の超音波探傷検査ではグリセリン(あるいはほぼグリセリンに近いもの)を用いる必要があります。 鉄筋のリブ上で深傷を行うのですが、そのリブ表面は多少のうねり・凸凹・表面の粗さがあり、そのような状態でも安定して超音波を伝搬できる接触媒質がグリセリンなのです。

グリセリンがコンクリートに与える影響としては、以下の3点が考えられます。

  1. コンクリート強度に与える影響
  2. コンクリートと鉄筋の付着強度への影響
  3. コンクリートの中性化

グリセリンは炭素と水素と酸素からなる代表的な三価アルコールで、無色で粘性と甘味のある吸湿性の液体で、水やアルコールによく溶けます。超音波探傷試験を実施すると、グリセリンは圧接近傍に付着し、時間をかけて広がったり、下部に落下したりします。また、水溶性のため降雨があると水に溶けて、圧接部近傍からほとんど除去されてしまいます。 鉄筋コンクリート構造物の現場では、配筋・圧接・検査・コンクリート打設が連続的に行われるため、多くの場合超音波深傷検査後は圧接部近傍にグリセリンが付着したままの状態です。
この影響について調べた例として、武蔵工業大学の昭和58年度卒業研究概要集の中の「UTによるグリセリンのコンクリート強度に及ぼす影響」(木村研究室 渡辺他)があります。その実験結果によれば、以下のようになります。

  1. コンクリート強度に与える影響
    コンクリート強度に与える影響ということで、グリセリンを混入した試験体を製作して、圧縮強度及び引張強度を測定した結果、グリセリンの混入によって強度が低下されることが確認された。しかし、この場合の混入量は0.25%、0.5%と実際に超音波探傷検査で使用されるグリセリン量に比べはるかに大きな値であった。そこで強度の低下から許容グリセリン混入量を推定すると、0.04%程度となる。
  2. コンクリートと鉄筋の付着強度への影響
    同様にコンクリートと鉄筋の付着強度への影響の実験をグリセリンの鉄筋への付着量50CC、グリセリンの鉄筋への付着量150CCと変化させた場合、付着量150CCで付着強度の低下が見られた。
  3. コンクリートの中性化
    コンクリートのPH試験でもグリセリン混入量が増加すると中性化が進んだが、混入量0.25%ではあまり影響がなかった。

実験では、グリセリンの混入はコンクリートの強度・耐久性やコンクリートの鉄筋の付着強度に影響は与えるが、混入量が0.04%程度ではその影響は無視できるほど小さくなるという結果が出ています。
実際の超音波探傷検査でのグリセリンの使用量は1箇所の圧接部の近傍で数CC程度で、100箇所検査を行っても100〜200CC程度しかありません。上記の実験で言うと0.01〜0.03%に該当し、結果として超音波深傷検査によってコンクリート構造物の性能に影響を与えないということになります。ただし、作業中に何らかの誤りによってグリセリンを大量にこぼしたりすると、影響が無視できない混入量となります。この場合はこぽれたグリセリンを濡れたウエス等を用いて十分に除去する必要があります。 もしグリセリンの付着をどうしても嫌う場合は、以下の2つの対処法が考えられます。

  • 「ソニコートA」等のグリセリンペーストを用いた場合、使用後はのりのように乾燥して薄い皮膜となるため容易に除去できます。このグリセリンペーストは表面粗さの影響を受けることなく、グリセリンに近い超音波の伝達特性が得られ、使用上の問題はありません。
  • 超音波探傷検査後に圧接部近傍を濡れたウエスで拭き取ればグリセリンを除去できます。

また最後に、低温で超音波探傷検査を行う場合、グリセリンが固まり使用できなくなることがあります。外気温-10℃までなら20%程度水で薄める、-30℃程度までなら20%程度アルコールで薄めると問題なく使用できます。

エンクローズ溶接の接合方法及び特徴について

異形鉄筋の継手として、建築基準法の性能評定によらない公知のものとして在来継手(金属線結束、フレア溶接継手、ガス圧接継手)と、建築基準法に基づき性能評定がなされる特殊継手(溶接継手、機械式継手、接着継手)があります。

エンクローズ溶接継手は後者の溶接継手に属し、建築基準法施工令の鉄筋継手性能判定基準を充たす施工法として認定されたものです。エンクローズ溶接継手は先組工法、プレキャスト工法など、各種合理化・工業化躯体工法との適合性に優れ、圧接等が不可能な固定された鉄筋間の継手加工が可能です。

施工方法は、鉄筋を直角に切断した状態で、鉄筋を適正な間隔で保持し、溶融金属の流出を図るためU字形状の銅当て金で囲んで溶接を行う1開先接合で、水平・垂直鉄筋のどちらでも適用できます。銅当て金にアークが飛ぶと溶融するため、銅当て金に溝を付け薄鋼板を入れて溶接する方法と、最近ではセラミックス製の裏当ても開発されており、交流アーク溶接・炭酸ガスアーク溶接のどちらでも適用が可能となっています。